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研修講座のご案内

令和4年度 第35回 冬季研修講座のまとめ

2023年01月30日(月)更新

「アセスメントについて」(通常学級に在籍している特別支援的配慮が必要な児童・生徒の支援について)

はじめに

時下、胆振管内教職員の皆様方には益々のご健勝のこととお喜び申し上げます。また、平素より胆振教育研究所の研究にあたり、多くのご理解とご協力をいただきありがとうございます。

本教育研究所では、教職員の研修への寄与と、資質向上を目的に研修講座を開催してきました。今回は「アセスメントについて」というテーマで講座を開催いたしました。

高杉 祐之 氏(江別市立大麻小学校教諭)に講師をお願いし、ハイブリッド形式(会場とZOOM配信)で講演を行いました。以下は、講座の内容をまとめたものです。少しでも多くの先生方にご活用いただけると幸いです。

研修講座の様子

会場・ZOOMを合わせて40名を超える先生方に参加いただき、開催することができました。2時間ほどの講座内容でしたが、高杉先生の実践に基づく熱気あふれる講話で、参加された先生方が真剣に話を聞く様子が数多く見られました。今回は、前半に通常学級に在籍している特別支援的配慮が必要な児童・生徒への支援について、後半ではアセスメントについてお話していただきました。

通常学級に在籍している特別支援的配慮が必要な児童・生徒の支援

今回の講座の冒頭に、「児童・生徒は学校にいる ほとんどの時間は授業を受けている。そのため、授業を改善させることが一番の近道である」と大きな指針が示された上で、児童生徒のそれぞれのタイプについて説明されました。

3つのタイプのうち、ADHDタイプの児童・生徒に対しては「楽しい・緊張がある授業」、ASDタイプの児童・生徒に対しては「不安が無い授業」、SLDタイプの児童・生徒に対しては「スモールステップがある授業」を心掛けると効果的であるとのことでした。その後は各タイプの特性や対策について映像なども交えて詳しく説明していただきました。

アセスメントについて

アセスメントを進める上では、①日常の学校生活の中から教師自身が児童・生徒を観察する力が重要である、②毎日授業の映像や音声を振り返ることで、観察力が磨かれていく、③児童・生徒が下校後に、今日の時間割や座席などを思い返すことができるか?というところから始め、様々な観点から児童生徒をどれだけ見取れているか考えることが重要だと話されました。

後半では、高杉先生が実践しているという11のアセスメントを紹介してくださいました。細やかなアセスメントを継続する上では、日常の中に位置づけて習慣化させることが非常に重要であり、高杉先生自身もアセスメントを生活の一部に組み込んでいるというエピソードを紹介していただきました。

参加者の声

  • 高杉先生のお話がとても興味深く、児童・生徒の様子を思い浮かべながらアセスメントの基本について学ぶことができました。今日から実践できることばかりだったので、冬休み明けの授業に生かしていきたいと思います。
  • 2回目の受講でしたが、再確認にもなり、とても勉強になりました。アセスメントの講義は初めてでしたが、そんなことまで!と驚きの連続でした。参考にさせていただきます。ありがとうございました。
  • 大変勉強になりました。困った生徒を変えようとするのではなく、こちらが見取り対応することで生徒が変わるということを再認識いたしました。
  • 実技を交え、とてもわかりやすい講座でした。ADHD、ASD、SLDのそれぞれの特性をもつ支援が必要な児童に対してどんな授業をしたらよいかがとても良くわかりました。またぜひお話を聞きたいです。本当に実のある講座、ありがとうございました。

おわりに

学級での指導がうまくいかない時、目の前の問題ばかりに目を向けてしまいがちですが、その背後にある児童・生徒が「やりたいのに、うまくいかない」という困難さを教師が理解することで、指導は大きく変わってくるものと思います。今回講座で学んだことが、今後の指導等に活用されていくことを願っております。講師をしてくださった高杉先生、そして受講してくださった皆様に心から感謝申し上げます。

 

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